自然循環、未来へつなぐ。
作り手も使い手も「森と心の守り人」
箱屋常吉は明治元年創業以来、有名料亭や老舗昆布店、大相撲枡席や京都都をどりの弁当箱を手がけてきました。しかし時代の流れとともにライフスタイルは変化し、安価な中国製品の流入で情勢は一変、波に逆らえず、かつての名店も量産仕事に甘んじるしかありませんでした。大量生産大量廃棄の時代、無理なコストダウンにより中国材を使った結果、廃業の寸前まで追い込まれ、“このままではあかん“と立ち上がったのが五代目笹井雅生です。
すぐに捨てられる箱ではなく、ひと手間かけて育てるような箱、初代“常吉じいさん”が作っていた箱をつくろうと、大量生産をやめてプライベートブランド『箱屋常吉』を2018年に立ち上げました。
初代常吉が生まれた頃に植えられた杉の木が、今樹齢200年余りと年月が経ち、ようやく私たちの家や木の道具になる。木が育つのにはものすごく時間がかかります。だからこそ大切につかうべきで、その生命の力がもらえるのです。
人は自然の中にいて、自然の力によって生かされています。自然に感謝し恩返しできる木の道具をつくることが、私たち箱屋常吉の使命です。使い手もまた、大事につかって土に還す。そうやって脈々と先人より受け継いできた森の資源、「木の国日本」を未来につないでいく。作り手も使い手も、私もあなたも、森と人間の心を守る「守り人」です。
Brand Purpose
私たちは「箱屋」。
森から授かる無垢の木で、あなたの大切なものを優しく守る。
私たちは「心の守り人」。
木の箱で、森と人の健康や幸せを育み、自然循環できる未来へつなぐ。
箱屋常吉の「守り人」取り組み
木と会話する。土に還る無垢無塗装の木箱作り。
木は切られても呼吸をします。呼吸をして余分な水分を吸ってくれるから、木のおべんとう箱に詰めたおかずやごはんが美味しくなるのです。箱屋常吉の木箱は“生き物”。木箱が生きやすいように、木と会話をしながら無垢無塗装のものづくりにこだわり続けます。
日常の「吉」に気づく。江戸の暮らし、日本人の心を取り戻す。
「吉」とは喜び・幸せ。日常の大切なものに気づき、互いに分かち合う存在でありたい。それが常吉の由来です。江戸の世、今のように物が溢れていない時代、人々は丁寧に道具をつくり、手入れをし、壊れたら捨てるのではなく、何度も修理して物を大切に暮らしていました。箱屋常吉が作る木の道具も、長く使ってもらえるようできる限りの修理をします。作り手と使い手が共に木の道具を育てていくことが理想です。
おが屑から生まれた蜜ロウバウム
製造過程で出たおが屑は廃棄しません。もったいない精神から、自社で水蒸気蒸留法により精油を抽出し、お手入れ蜜ロウバウムに混ぜています。木も安心できる自分の香りを自分に戻す。水にもこだわり、伊賀の森の湧き水を使用しています。
D材は個性。廃棄しない。
同じ環境で育っても、D材と呼ばれる色や木目の悪い材料を個性と捉えて、伝統の焼杉加工で余す事なく使います。森の恵みを大切にしたいからです。綺麗な木目は苦労知らず、色目が悪いのは苦労人。雨風に耐えながら折れた枝を自分で癒してきた跡で、愛しくなります。
吉野の山守ツアー。木の恵みへの感謝。
室町時代より脈々と続く奈良県吉野の森。その山を守る山守さんと山に入り、木の育ってきた歴史と苦労を共に感じ、共に感謝し祈る、山守ツアーを随時開催しています。森を知り、森に親しんだツアーの最後に、箱屋常吉のおべんとう箱でふっくらごはんをいただき、森の恵みに感謝します。他にも、お手入れ用米ぬかを供給いただいている自然栽培農家さんの田植え体験も行っています。実りへの感謝、自然栽培の素晴らしさや厳しさを肌身で感じた体験も伝えていきます。
志同じ仲間と歩む『木の国 日本』プロジェクト
私たちと同じ想いを持ち、自然と融合した『木の国日本』の未来を共に考え、共に創っていく仲間を集めた木の国日本プロジェクトを2021年3月に発足しました。今後の活動は木の国 日本オフィシャルサイトでも情報を更新して参ります。